経活のススメ

巻頭特集「2019経活のススメ」とは、各会員企業の企業経営における取り組みを紹介しつつ、人を中心とした中小企業経営に対する同友会としての考え方を解説するコンテンツです。また、それぞれの企業経営だけに留まらず、例会や経営指針確立実践セミナーなどのさまざまな同友会の活動をあわせて紹介することで、すべての活動における考え方の根幹である「人を生かす経営(通称:労使見解)」への理解を深めていきます。
※経活:同友会での学習を生かした自社経営における改善活動

vol.11

経活のススメ

中小企業は差別化が原点 - オンリーワン研究会で自社の差別化を見出す -

旭電機化成(株)専務取締役 原 守男 氏
大阪東ブロック/東成・生野支部

【PROFILE】
所 在 地:大阪市東成区神路
設  立:1950年11月(創業1933年2月)
年  商:20億(グループ合計40億)
社 員 数:130名
業務内容:プラスチック成型加工・UV塗装及びシルク印刷・クリーンルー
ムを使った精密塗装・2次加工品・プラスチック精密金型・自社
製品の製作・インターネットショップ

今月はオンリーワン研究会代表の旭電機化成株式会社専務取締役原守男さんから話を聞きました。上記の営業内容でわかるように、さまざまな分野でさまざまな業種を手広く経営しています。また、販売を業種とする子会社の旭株式会社があります。現在開発した商品や取り組みが多くのマスコミで紹介され、原さん自身も多くのテレビに出演しています。旭電機化成がなぜこのような業態になったのかを紹介していきます。


中小企業の経営の原点は差別化

オンリーワン研究会の活動方針にありますが、旭電機化成もスマイルキッズというブランドの自社商品を開発製造し差別化に取り組んでいます。旭電機化成は創業からバブル崩壊まで、100%下請けの業態でした。原さんは大学卒業後4年間京セラに勤め1981年に旭電機化成に入社します。当時は会社の数字の見方もあまりわかりませんでしたが、会社の経営が厳しいことはすぐに理解しました。その後、バブル景気があり、その時は順調な日々を過ごしていましたが、1991年バブルが崩壊し旭電機化成も打撃を受け、それをきっかけに下請けの業態からの脱却に舵をきりました。

かたよらない何種類もの仕事

現在の旭電機化成はBtoCの自社商品部門・医療関係の検査用採尿具・屋内に設置する喫煙ボックス・従来の受注商品部門・子会社の旭株式会社が行う業務用厨房機器の販売と幅広く経営をしています。業種や商品を絞りすぎると上り下りが激しい、それを避けるために幅広い商売を実践しています。旭電機化成の商品や業種を紹介していきます。

【自社商品部門】
スマイルキッズマークをポイントキャラクターとした自社のオリジナル商品を開発し、年間20種から30種、多い年は40種の新商品を生み出しています。また、廃版になった商品や売れなかった商品もショーケースで展示し開発のヒントにしています。


現在販売中の商品



【業務用厨房機器】
旭株式会社と共同開発したスーパーブレンダーを筆頭に、病院などで使う食器や、厨房機器を販売。ショールームで厨房を使い実際に実演教育もできます。ここにも他社との差別化が見られます。


【検査用採尿具】
紙コップ不要の自宅で採尿ができる採尿具。大学との共同開発がきっかけで生まれた商品。


【喫煙ボックス】
4月1日より施行された受動喫煙防止法に対応して配管工事を必要としない喫煙室を製作販売(機密保持の関係で写真は出せません)。

経営課題は新製品を生み出し続けること

旭電機化成の経営課題は新商品を生み出し続けることと原さんは言われます。生み出し続けるためにはネタが大切、そのネタを見極めることは原さんの仕事です。これだけ数々の製品を生み出していても売れるか売れないかは「やってみないとわからない」とのこと、秘訣はないようです。何か挙げるとしたら販売力と売るためのネタ両方が必要とのことです。

同友会で学び自立型企業に

下請け型企業だったころは値段をたたかれるだけの営業活動。それが嫌で仕方がなかったとか。何とかしたいとのボヤッとした思いが、同友会の例会に参加するたびに明確な目標になってきました。同友会のおかげで多くの会社を見ることができ、どうしたらこんな会社になれるのか?何回も何回も例会に行くことでその秘訣がすりこまれてきたのだと原さんは言います。現在のオンリーワン研究会の例会の形は報告を長くとり、グループ討論を行わず、質問形式です。そこでの問答が大きな学びになっているとのことです。自社商品が2割以上あると自社が主導権を持ち、コントロールすることで安心を手に入れることができるとのことです。


同友会会員へのメッセージ

自立型の企業をめざしてほしい、技術力があったり、名前が売れている会社などを見ているともったいないと思います。下請け型の企業とメーカー型の企業との違いはどこにお金をかけるかです。下請け型は、工場・設備・車など物にお金をかける。メーカーはノウハウなど形の無いものにお金をかける。そこの違いだと思います。自立型企業への壁は経営者の心の中にあるのではと思います。
(インタビュー:音頭・山田、 写真:田村)

vol.10

経活のススメ

経活の実践者 - 経営者として本音で語り合える仲間 -

(株)ぜんGIFT ENTERPRISE 代表取締役 寺本 智恵子 氏
大阪北ブロック/阪神支部、女性部会

【PROFILE】
所 在 地:大阪市北区天神橋
設 立:2006年9月 / 年 商:1億6,000万円
社 員 数:4名 パート9名
業務内容:寺院・神社・警察(交通安全協会)・消防署向けギフト商品の企画・販売 ≪新規事業≫女性向けのアパレル商品のデザインから販売・衣料用 高級洗濯洗剤の開発から販売 経営理念:私達は、「豊かさ」を創造し続け、社会に貢献します。

2019年度中小企業家同友会は、全国会員数5万名達成を目標に活動をしています。大阪同友会も達成に向け、組織本部が中心となって動いています。実際には大阪同友会は増強数で苦戦しています。今期もあと1カ月となり、各ブロック・支部は目標に向けてラストスパートの月になりました。今月は増強に対する課題を正面から捉え活動している阪神支部所属女性部会部会長の寺本さんより「増強活動」について話を聞きました。

起業するまで

テレアポの会社に入社、めきめきと力をつけ、営業職、管理職と立場を上げてきた寺本さんは、ある提案を会社にしました。しかし、それは会社に受け入れられず、それなら自分でと起業を考え、実行します。一度目の起業は、ある建築系の会社と共同経営で立ち上げ、面白いように売り上げを上げていきました。しかし、あるころから建築系の会社の業績が落ちこみ、寺本さんの会社にも影響が出てきます。連帯保証人にもなっておりこのままではダメだと思い、一度会社を整理して今度は一人で起業をしました。


同友会に出会うまで

新たに起業する時、寺本さんは資金がなく、怖さもある反面、ある程度の自信があったのでいきなり10人を雇用し10坪の事務所からスタートしました。2年目ぐらいから会社は軌道に乗り始めます。売上面で軌道に乗り出すと、経営面で悩みがではじめます。他の企業の社長たちはどんな考えをしているのか?話を聞きたいと思い、同友会を紹介され入会しました。

人を生かす経営との出会い

入会後すぐに、経営指針確立成文化セミナー(当時)の理念コース(Aコース)を受講します。そこで出会ったのが「人を生かす経営」です。社員を最も信頼できるパートナーと捉える、その時はなかなかそう思うことができませんでした。しかし、そのころから社員が会社を辞めなくなってきました。「社員は最も信頼できるパートナー」についてはっきりと理解ができたわけではないですが、あることがきっかけで社内(社員)が見えるようになります。寺本さんには二人のお子様が居ます。その二人の学費を払っていくことは厳しかったとのことです。学費の支払いが完了したら自分はボロボロになっているのでは?と思っていました。最後の学費を納めたとき、ふと社員のことを思いました。社員にも子どもが居て、同じように学費を払っている。当たり前のことですが、社員の家庭のことを思いました。それを機に社内のことが見えてくるようになります。狭い事務所、机の脚の出っ張りがあり「これにつまずいたら危ない」と細かなところに気がつくようになりました。それから、事務所を移転し、20坪、30坪と大きく変えてきました。2年前の大阪で地震があったときは8階の事務所で大きく揺れました。これではもっと大きな地震の時社員を守れないと考え、2018年に現在の2階(40坪)の事務所に移転しました。そして、10年後も元気な会社でありたい思いから、新規事業に取り組んでいます。

人を生かす経営が同友会の特徴

女性部として会外の方と交流すると、中小企業家同友会のことを知らない人が多く、知名度がまだ低いことを痛感します。他団体で活動している多くの経営者から「他で勉強しているから同友会には入会しません」と言われます。しかし、自分が実践した「人を生かす経営」の話で、入会につながった経験があります。これこそが「同友会流の増強」です。こういった話を共有できる仲間をつくっていく。それがさらに新しい仲間を呼び増強へとつながっていくと考えます。また増強の「強」に対して、女性部では久しぶりにくる会員、特に新しい会員に対しては必ずリストアップして声をかけるようにしています。次も来やすいようにする小さな心配りが退会を減らす一つの要因とのことです。


2020年全大阪経営研究集会

寺本さんは来年度の全大阪経営研究集会の実行委員長の候補にあがっています。もうすでに「寺本さんがやるのなら頑張るで」と声をかけてくれる人がいるとのことです。来期は早くから動き、各本部からも各支部からも委員を出してもらい盛り上げていきたいと意気込んでいます。テレアポで販売する寺本さんの会社は、社内の雰囲気が売上に直結するとのことです。それと同じようにまずは実行委員会で雰囲気を盛り上げて全大阪を成功に導きたいと考えています。来期の全大阪、面白くなりそうです。

寺本さんより大阪同友会会員に増強の呼びかけ

経営者の悩みは、なんといっても「人」のこと。「思うようにいかないとき、そして、どんどん悩み孤独になっていく・・・そんな時こそ、同友会の仲間がいてくれる」。私は難しいことは言えませんが、正論などきれいごとばかりではなく、本音で悩みを言い合える、本音で経営のことを語れる仲間を一人でも多く増やしていくことに取り組むあり方であれば、自然に増強ができていくのではないでしょうか。

取材を終えて

取材の中で、寺本さんから創業者としての危機感をうまく乗り越える力強さや、女性経営者ならではの温かみのある抱擁力を感じました。今回の取材テーマである増強活動をすすめるためには、会外の多くの中小企業経営者が持つ孤独感に寄り添いつつも、なれ合いにならないような連携で各企業の特性を生かすことが必要です。ぜひ今回の特集記事を読んで、仲間を増やす(作る)大切さやすばらしさを感じてもらえたらと思います。皆さんの友人・知り合いは、皆さんからの一声をきっと待っているはずですので。
(インタビュー:山田・大西 写真:田村)

vol.9

経活のススメ

経活の実践者 - 自社の変化を発信することが仲間づくりの第一歩 -

(株)KOTOYA 代表取締役 豊田 泰隆 氏
大阪中央ブロック/中央北支部、青年部会

【PROFILE】
所在地:大阪市西区新町
設立:1955年(創業1950年) / 年商:1億7,500万円 / 社 員 数:5名 パート4名
業務内容:不動産賃貸業/仲介業/管理業/飲食業
経営理念:企業としても、一人の個人としても、関わる人すべてに頼られ、慕われ、愛される存在になり続ける

2019年度中小企業家同友会は、全国会員数5万名達成を目標に活動をしています。大阪同友会も達成に向け、組織本部が中心となって動いています。
実際には大阪同友会は増強数で苦戦しています。以前より「増強」と聞くとアレルギー反応を示す会員さんが居るのも事実です。
今月は増強に対する課題を正面から捉え活動している中央北支部所属、青年部会幹事長の豊田さんより「増強活動」について話を聞きました。

業界の現状

大阪市西区を中心に、総合不動産業と飲食業を営む株式会社KOTOYA。
主とする不動産業者の現状は非常に厳しいとのことです。大阪の不動産業者は他府県と比べると人口当たりの件数が非常に多く、価格勝負の業者が多くなっている状態。そして、ネットの取引が主流になる仲介業においては、従来の業者が淘汰されていくという現象もおこっているといいます。
そんな環境の中で、過去3年間は右肩上がりで業績を上げています。しかし、この先を考えると次の一手が必要と考え、業務効率化からの費用削減や、管理業特化、アプリ制作など、次々と対策を打っています。


やっている結果は数字によって表れる

2016年から3年間、中央北支部の支部長をした豊田さんですが、はじめの2年間は結果が伴わず、責任から逃げてしまって退会を考えるほど悩みました。
しかし、2006年に青年部会に入会してから大阪同友会に育ててもらったという思いからもう一度、自分ができることをすべて出し切ってみようと考え、3年目の支部長の年に挑みました。
支部幹事会を中心に、各委員会でもそれぞれの得意分野の知識などを出しあって結束を固め活動をしました。その結果、2018年度増強最多支部になることができました。
豊田さんは兵庫同友会の方から「強い同友会も強い会社も数字で語るべき」と言われたことがあります。
すべての取り組みの結果が「増強の数字として表れる」ということを、この年に豊田さんは支部長として体現することができました。

増強に対する意識と行動

しかし、数字を増やすだけの増強では意味がありません。豊田さんは、同友会は経営者の小学校のようなイメージと言います。ですからこちらから入会に制限をつけることなく、どんな人でも経営をしている、もしくは経営をしようとしている人、特に若い人に対しては積極的に声をかけるようにしています。

具体的な増強活動

豊田さんからは、次のように具体的な話もありました。
「経営者に出会うと、必ず信頼関係の構築のため経営で困っていることが無いかを聞くようにしています。そこから、会社を見にきてもらったり、会社のシステムや経営指針書を見せたりします。こちらからどんどん経営に必要な情報を発信します。その経営者に『どこでそんな勉強をしたのか?』というスイッチが入ります。そこで同友会の説明をします。それから例会にゲスト参加してもらうと、高い確率で入会してくれます。
自分の会社がどんなことに取り組んで、会社がどう変わってきたのか。それを周りに伝えていれば、興味を持ってくれます。わずかな変化かもしれませんが、会社がこのように変わり、今こんなことに悩んでいるということを赤裸々に発信すれば、周りの経営者も同じような悩みを言ってきます。」
まとめると、自社が良くなったことを周りに話す、見せます。それを見た経営者が、自分も同友会で学びたいと思い、入会します。
これが、増強の王道だと思います。より会社をよくしている人が、増強活動に向いているのでしょう。


大阪同友会会員に向けて増強の呼びかけ

「人が増えない、減っていく。これが今の大阪同友会の結果やと思います。
 動員目標や増強目標などの数字が一人歩きするような運営ではなく、会員一人ひとりが満足するような運営を心がけていけば必ず人は増えていきます。大阪同友会は、まだまだこうでないといけないという運営が多いと思っています。あるべき姿よりもありたい姿を求めて、一緒にもっと楽しめて学べる運営や増強活動をしましょう!!いつでも声をかけていただければ、一緒に走らせていただきたいと思います!」と豊田さんから熱いメッセージをいただきました。

取材を終えて

現在青年部会幹事長、豊田さんの話を聞いていて、これからの同友会を作っていくのはこの世代の人たちだということを痛烈に感じました。
情報化・広報部として情報発信については耳の痛い話でした。
現在、青年部会の入部対象になる若い会員数が激減していることは情報で上がっています。この問題についての対策は、ベテラン会員が口を出さずに彼らに任せていくべきだと思います。
そして、私たちは、若い経営者たちから目標にされる経営者になること。そのためにも数字にこだわり続けることが何よりも必要であることを認識させられた取材でした。
(インタビュー:山田・大西/写真:田村)

vol.8

経活のススメ

経活の実践者 - 経営指針で会社が変わる -

(株)坂口製作所 代表取締役 坂口 清信 氏
大阪南東ブロック/西成・住之江支部

【PROFILE】
所 在 地:大阪市西成区千本中
設 立:昭和61(1986)年
年 商:11億5千5百万円
社 員 数:82名(工場:71名、本社:11名)
業務内容:アルミ・ステンレスの製缶・板金業 経営理念:私たちはものづくりを通じて、安全で安心な未来を提供します。

今期は会員企業の経営活動を「経活」と銘打ち、その取り組みを紹介しています。11月号までは「経活」の一番具体的な実行である経営指針の成文化およびその実践をテーマにしてきました。経営指針をすすめていくと、必ず雇用という課題に当たります。そして雇用をすればすぐに社員教育の課題が表れます。今月はその課題に取り組んでいる株式会社坂口製作所坂口さんに話を聞きました。
和歌山県有田郡に約3400坪の工場と大阪西成区に本社を持つ坂口製作所。アルミ・ステンレスに特化した国内最高クラスの溶接技術と高精度な最新設備で小物部品から大型構造物まで幅の広い製品を作っています。和歌山の工場がある有田郡は過疎地域になりますが、今年度新卒、中途を含め合計4名。大阪本社でも今年度2名の女子を採用しました。雇用活動は順調に見えますが来年度に対しては苦戦しているとのことです。

会社のブランド化

坂口製作所は、雇用難の現状に対して会社の価値を高める活動をしています。健康経営を推進し、2018年、2019年、2年連続で健康優良法人の認定を受けています。「がん対策推進企業アクション」推進パートナー企業に登録もされています。環境活動にも取り組まれ2011年にエコアクション21の認証も受けています。近年は経営理念に基づき、地域に勇気と元気を与えることのできる企業をめざし、SDGs(持続可能な社会の実現)にも積極的に取り組んでいます。このような取り組みで、社員が誇りをもって働ける会社、そこで働きたいと思わせるような会社づくりをしています。


地域づくりの構想

和歌山の工場長と有田の副町長が面談をして、面白い構想が持ち上がっています。独身寮を作り、食堂なども作ることで他地域(都市)から田舎で暮らしたい人を集める。これを企業と行政が一緒に行い、人が集まり地域と共に育っていくサイクルを作る。雇用と地域づくりを共に行う活動のようです。これが具体化すれば地域企業にとって、面白い取り組み事例ができると思います。近々このプロジェクトも本格的に動きそうです。

先輩会員の影響で新卒雇用

坂口製作所が新卒雇用を始めたのは3年前です。それまでは欠員補充のための中途採用を行ってきました。これから、いろいろなことを変えていきたいと考えていた坂口さんは、ある会員から刺激を受けます。仕事上で付き合いがある梅南鋼材株式会社が業態をどんどん変えていき社員が増え、非常に会社の雰囲気が変わってきたことを見てきました。また、梅南鋼材の堂上社長(大阪同友会会長)とは同じ支部であり、例会などで意見やアドバイスをもらい、新卒雇用で会社を変えていこうと取り組んでいます。

社員教育

若い人が増えると、社員教育の課題が出てきます。坂口製作所の製缶・板金業界は、一人前になるまでに5年以上、10年はかかるといわれています。坂口製作所は、早く社員を一流の技術者に育てていくために、社員を外に触れさせる取り組みをしています。取り組みの一つとして全国軽金属溶接技術競技会に社員を参加させています。アルミの溶接技術を競う競技会で、参加者の多くは超大手企業の社員です。大手企業の社員は競技会に向けて、練習だけに時間を取っています。坂口製作所は仕事が終わってからの練習になります。そんな環境の中で2回の優勝をはじめ数多くの優秀賞を取っています。これも有力な社員教育になっていますが、それよりも競技会の夜に他社の参加者(若い社員)たちが、食事や飲み会の場で2時間も3時間も溶接技術について討論をしている姿が最大の成長の場だと坂口さんは言います。その他にもアマダ優秀板金製品技能フェアにも参加し、賞をいただいています。このように社員を外に出すことで、自ら技術を上げていく雰囲気を作っています。


社長の仕事

今年4月、本社に2名の女子社員が入ったことで事務所が非常に明るくなりました。これまで坂口さんは会社の雑用を、一人でこなしてきましたが、その業務を社員に振っていくことで、経営指針書づくりなど本来社長がやるべき仕事ができるようになったとのことです。

取材を終えて

規模は違うが同じ業種である坂口製作所さんを取材することで、社員教育をはじめ雇用にたいしても多くの気づきがありました。これまで自分は「最近の若い子は、小さいころにプラモデルも作っていないので物づくりの感覚がない」と思っていました。またこれを教育するのに10年はかかると言っていました。しかし、坂口さんから話を聞かせてもらい社員を外に出すなどまだまだやれることがあることに気づきました。雇用も地域と共に育てる広い大きな視点を持つことが大切と思い、再度自社の取り組みを見直す機会になった取材でした。(インタビュー:山田・藤本/写真:田村)

vol.7

経活のススメ

経活の実践者 - 経営指針で会社が変わる -

(株)あさひ在宅サービスセンター 代表取締役 山本 麗子氏
大阪南東ブロック/西成・住之江支部

【PROFILE】
所 在 地:大阪市西成区旭
設  立:平成24年/年商:1億2千万/社 員 数:30名
業務内容:訪問介護、住宅介護支援、福祉用品の販売
経営理念:「お年寄りのこれからの人生の物語(ストーリー)を
      一緒に作っていく」

6カ月間「経活」をテーマに経営指針に取り組んでいる企業を紹介してきました。最終は南東ブロックから株式会社あさひ在宅サービスセンターの山本さんの紹介です。取材先を決めるにあたり南東ブロック長、経営委員長はじめいろいろな方に聞いたところ、すべての人が山本さんを推薦され、非常に楽しみな取材でした。

日本の裕福さにあこがれ

山本さんは台湾出身です。20年前日本にあこがれ来日し、病院に勤め介護の仕事をしてきました。 あこがれていた日本ですが現状に驚きを覚えます。西成地域での仕事なので当時は患者さんも老人の日雇い労働者や生活保護を受けている方が多くいました。周りのその方たちのへの言葉使いや扱い自体が、あこがれの日本人との差が大きく悲しい気持ちになりました。
しかし、その方たちが山本さんに日本語を教えてくれました。また、戦後の混乱の話を教えてくれることもあり、この方たちが今の日本をつくってきたのだと思い、この方たちのために在宅介護やケアマネージャーの資格をとりました。
その後勤めていた病院で世代交代などのゴタゴタがあり、利用者様のことを考え、職員20人を連れて独立します。


96歳の利用者様が書いてくれた経営理念と経営方針

課題がわからないことが課題

平成24年11月に事業を開始した山本さんは平成27年7月に同友会に入会します。今まで介護のことしか知らなかったが経営者としてやるべきことがたくさんあることを痛感します。
支部のベテラン会員から「現状維持は衰退」と言われ、どうしたらいいかを悩んでいるところ、当時の支部長から経営指針確立実践セミナーに参加することをすすめられます。
セミナーの中で「あなたの課題は?」と問われたところ課題が全く分からない状態であることに気づかされます。指針セミナーを受けている中で資金繰りや社員教育など、自社の課題にどんどん気づいていくことができました。

経営理念でお腹いっぱいになるのか

指針セミナーでは、毎回社員と共に考えてくる宿題がでます。ここで社員と真摯に向き合うことになります。山本さんもここで苦労がありました。
作ってきた理念を伝えたところ「お年寄りが好きなのはわかった、でもそれで給与は上がるのか?経営理念でお腹いっぱいになるのか?」と言われました。
この時に、社員の考えていることと自分の考えていることが違うことを知ります。社員は理念や理想よりも生活の安定を求めている、当たり前のことだが自分はその問題を避けていたことに気づきます。

ひとつの方向性を決めないと儲けても今だけ

苦しい思いをしながらも、山本さんは社員と議論をし続けます。この時は説得より、納得してもらうことが難しかったとのことです。しかし、やり続けたおかげで自分の思いを仲間(社員)に伝えることができました。社員の生活の安定は会社の経営の安定が絶対に必要であることを、共通の認識にすることができました。
どうやったら儲かるかとの議論では、方向性を決めないと儲かっても今だけになる、そのために経営指針が必要なことが確認されました。



経営理念から生まれた会社の発展

あさひ在宅サービスセンターの経営理念には「お年寄りが安心して最後をむかえられる場所を作りたい」との思いがあります。現在、日本ではたたみ一畳で死ぬのはぜいたくなことだといいます。賃貸住宅では無理、病院でしか最後を迎えられません。しかし、病院では自由がありません。 そこで、山本さんは現在の事務所のすぐ近所に4階建ての住宅を建てることを計画しました。その住宅では末期がんの方を受け入れ、残っている最後の時間を自由に過ごしてもらいます。
1階はコインランドリーと進学支援塾を計画。お年寄りだけでなく、貧困の子どもにも目を向け、貧困の連鎖を断ち切りたい、同じ土俵に立ってほしい、そのためにも教育が必要という思いがあるそうです。
現在その計画は、土地を購入済みで着工待ちとのことです。

指針セミナーを受けて生産性があがる

セミナーを受けて収益は1.5倍になりました。
指針セミナーを受けても仕事としてやることは同じだが、自分や社員の意識が変わる、意識が変わるといい流れになる雰囲気に変わります。
生産性を上げるとは仕事を詰め込むことではないとのこと。あさひ在宅サービスセンターの生産性向上とは利用者様とのコミュニケーションをアップすることで利用者様の調子が良くなる、良くなると時間を取られない、病院に入ってもすぐに退院して帰ってこられます。調子がいいと掃除や洗濯など自分のことは自分でできるようになります。こんなサイクルができることが生産性向上とのことです。
また、社員教育の取り組みで、月1回外部講師を呼び勉強会を行っています。最近では他の事業所も参加して勉強しているとのこと。これも生産性向上に向けての取り組みといえます。

未受講の会員へ

経営指針確立実践セミナーでは自分の弱みを見つめることができ、その弱みを強みへと変化させることができます。
名刺の渡し方もわからなかった自分が、これだけ変化できたのも同友会の活動や指針セミナーのおかげです。ぜひ受講してください。(インタビュー:山田/写真:田村)

vol.6

経活のススメ

経活の実践者 - 経営指針で会社が変わる -

(株)高洋商会 常務取締役 山川 耕平 氏 大阪南ブロック かんくう支部

【PROFILE】
所 在 地:大阪府岸和田市新港町
創業設立:1981年/1987年
年  商:9億円/社員数:44名
業務内容:コンクリート型枠の製造・販売及びそれらに関わる施工計画・設計
経営理念:
「私たちは、型枠加工で培った技術で想いをカタチにし、多様で豊かな世界を実現します」
「私たちは、互いの成長を喜び、創意工夫と新たな価値の創造で夢に挑戦します」

事業領域の拡大と新商品

平面から3次曲線の形状に対応する型枠製作で非常に技術力の高い高洋商会ですがリーマン・ショックで大きな打撃を受け、会社をたたもうかと考える状況に追い込まれました。開発中のコンクリートの流し込み状況を見ることができる透明型枠ミエールフォーム(実用新案)で起死回生に挑みました。これが反響を呼び、会社を立て直すことに成功します。そんな状況下、2013年に山川さんは後継者として高洋商会に入社しました。

いい会社には経営理念があった

山川さんは当時の会社の雰囲気を「品質への意識も、会社に対しての意識も低く、何か社員がいきいきしていない。いいモノを持っているのにもったいない」と感じていました。他社で営業をしていたころを思いかえすと、いい会社と感じた顧客には必ず経営理念があったことを思い出します。そんな思いがあり入社2年後、幹部社員を集め話し合いを行い、最終的には社長に経営理念の作成を依頼します。社長は部屋にこもり十数分で経営理念を作りました。理念はでき上がったのですが、社員も自分もぜんぜん意識をしない、もっともっとみんなのものにしたいと考えていました。

同友会の経営指針確立実践セミナーとの出会い

みんなが意識できる理念にするには、やはりこれから後継者として事業を継いでいく自分が作るべきではないかと考え始めていたころ、同友会の例会で、ある女性会員から「そんな思いがあるのなら、経営指針確立実践セミナーを受けるべき」と誘われ、2017年に受講します。

人への向き合い方が変わった

山川さんは指針セミナーを受講する前から、経営計画などを手がけたり、受講の前年は知的資産経営に取り組んだりといろいろな仕掛けをしていました。しかし昔のやり方を変えない社員、いつも自分の思いが伝わらないこと、なぜ自分ばかりがやるのか?なぜ自分が思っていることが伝わらないのか?などの不満をいだいていました。指針セミナーを受けてまず変わったのは自分の考え方でした。言いたいことがすべて伝わらなくてもいい、議論にならなくてもいい、人にはそれぞれの立場があり、それぞれに大切なものがある、そこから始めていけばいいと考えられるようになります。



成果を見えるように

いろいろな取り組みに対してなかなか社員が乗ってこない状況について、指針セミナーを受講してわかったことは、成果を見えるようにすることでした。これまでは、やることを決めて実行するだけでしたが、その年にできたこと、変化したことを見える化していきました。作成した動画マニュアル・スキルマップなども成果として指針書に入れています。そのころ社員さんは売上も粗利益もわからない環境でした。そこで決算書の勉強会を行い、決算書を見せ説明を行いました。そうすることで、社員さんに利益意識が出てきて、今まで簡単に外注業者へ出していた仕事も見直し、社内でできないかと社員さんから意見がでるようになりました。

10年前に戻って今の状況をビジョンとして語ったら?

高洋商会は2018年度、10年前に比べ社員数は2倍になり、売上は3倍になっています。そして現在新工場を建設中です。指針セミナーを終え、10年ビジョンを発表しましたが、社員さんの一部はなかなかピンときませんでした。そこで山川さんはこのように説明をしました。「『10年前の会社に現在の自分がタイムマシーンに乗って来て、10年後会社は社員数が2倍になって売上は3倍になり、新工場作っているで』と話したら、誰が信じますか?信じられないことが実際に今、起こっているのです」10年ビジョンとはこういうことなんだと説明し、納得してもらいました。社員さんたちが10年ビジョンを読み考えだすと、幹部社員からこんな意見も出てきました。「10年ビジョンだけではどこに向かうのかがイメージしにくい、3年ビジョン、5年ビジョンも必要ではないか」全社で考えることでこんな課題も見つかることがわかりました。今、社内では幹部社員たちとプチ指針セミナーが行われています。上で書いた新工場は2300坪(現在の工場260坪)約10倍の大きさで、2020年3月完成予定とのことです。


未受講の会員に対してひとこと

経営者であれば、日々直面する経営課題や悩みは尽きないと思います。指針セミナーではそのすべての答えは自分の中にあることが気付ける場だと思います。私は経営者として、どうせなら明るく、自分の力で、どうやって状況に立ち向かっていくのか考えていきたいと強く思っています。そのためにも指針セミナーは経営者としてのスタートラインに立つ大きなきっかけになったと思います。きっと自分の中にある宝物と素晴らしい仲間が見つかると思いますよ。思いっきり悩んで、実践していける。そんな仲間にぜひなりましょう!(山川耕平氏談)

取材を終えて

指針経営は、経営指針書を作ることがスタートなのは間違いないです。指針書がないと、毎月の実践をチェックすることができません。しかし、社員目線の指針書にするには、シンプルに成果を見せていくことが大切であると感じました。また、10年ビジョンは夢物語だけでなく、実際に一つ一つ実現させていくものであり、そうすることで社員が本気で夢を描けるのだと確認することができた山川さんの取材でした。(インタビュー:山田/写真:田村)

vol.5

経活のススメ

経活の実践者 - 経営指針で会社が変わる -

田中化工(株)  代表取締役 田中 進 氏 中河内ブロック 八尾支部

【PROFILE】
所 在 地:大阪府八尾市跡部北の町
創業/設立:1967年/1985年
年商:9000万円/社員数:13名
業務内容:工業用プラスチック切削加工
経営理念:樹脂加工の真価を発揮し深化し新価を生み受け継ぐ想いと伝える想いをカタチにすることで、感動と喜び、そして感謝に 満ちた社会つくりに貢献します。

企業ドメインが変わっていく

加工で産業界向けの製品を手がけている田中化工さん。以前は塩ビを使用した半導体や化学薬品の洗浄槽などを製作。そのころは大きな利益を出すことができていました。その他汎用プラスチックの加工を行ってきましたが、時代が変わりエンジニアリングプラスチックへと素材が進歩し、それに対応するために技術の向上に努め、設備投資を行い、ノウハウを蓄積してきました。プラスチックの歴史は戦後からと意外に浅いとのことです。一般から見るとプラスチックは同じように思いますが、素材は日々進化、変化しその対応が大変とのことです。

リーマン・ショックからの生還

大学を出て5年間、ある設備の営業として勤め、2000年に田中化工に入社します。当時から家業的な会社でしたが、航空機部品加工に参入したり、設備投資を行ったり順調に仕事をこなしていました。2008年に社長になり、仕事のつながりを求め商工会に入ったりはしていましたが熱心ではありませんでした。その時に同友会にも入会します。しかし、勉強する気がないので幽霊会員でした。その年に起こったリーマン・ショックで大打撃を受けてしまいます。仕事を取ってきても厳しい短納期の要求。そのためのオーバーワークをすべて社長自身がこなしていました。その後も苦しい状況が続き2010年に父親が会社から身を引き、次の年には経理を担当していた母親が会社から身を引きました。残ったのは社員一人、1週間仕事が無い時もあり二人で殺伐とした日々を過ごしました。ある時同友会の会合に出向き、自社の現状を先輩会員に相談します。そこで経営指針成文化セミナー(当時の名称)を教えてくれました。2011年に指針セミナー(理念・方針・計画)を受講しました。しかし、なかなか理解ができない、もう一度受けなおそうと考えたところ、サブリーダー(助言者)として参加することを教えてもらいます。サブリーダーで参加し続けることで、少しずつ理解度が深まってきました。

指針経営への出発

2012年からスタートし悪戦苦闘した5年目までの指針経営を時系列で振り返ってもらいます。指針実践初年度何から手を付けていいのかわからず、「良い会社」を作るためになにをすればよいか話し合うことを決め、毎月会議の時間は仕事を止めることを決めることから始める。指針実践2年目2年目は3Sのみに実践を絞り、PDCAを習慣づけられるように仕組みづくりをすすめた。もっと会議を集中してできるように工場に中2階を作り会議室を増築。指針実践3年目3Sに加え、生産性と品質について方針を立て、PDCAを回す。ここで会議の異変に気付く。強くものが言える社員の意見ばかりがまかり通り、民主的な議論になっていない。結果、全社的な活動につながっていかない。そこで、「会議のルール」を作る。①他人の意見を否定しない。②必ず自分の意見を述べる。③決まったことは全員で実行する。結果論であるが、同友会の自主、民主、連帯と酷似していることに気づく。指針実践4年目3Sを環境方針の一部とし、製造方針、品質方針、環境方針、営業方針、教育方針の5項目とした。1方針につき、1部門長を選任し、それぞれが各分野で主体的に取り組める仕組みとした。PDCAを回すことで、社内の仕組みが急速に構築されていき、企業づくりが進んでいったが、反面、社員の疲弊感が出てきたことと、会議の時間が丸1日かかり、生産性の足かせにもなってきた。指針実践5年目製造、品質、環境の3方針を単年度方針とし、営業方針を中期方針として、事業領域の拡大を図る。(自社ブランドづくりを進行中)
この5年の成果としては、補助金で設備投資ができ、EA21取得、匠の認定、展示会の出店、第二工場増設、社員数1.5倍、総売上額は約2倍になりました。一方で、社員が増えるごとに企業づくりが見違えるほど進んでいくが、その過程で必ず問題が発生します。人が増え、組織化していく過程で必ず必要に感じるのが、就業規則、経営指針書、人事評価制度の見直しです。この三つは必ず自社のオリジナルでなおかつ「人を生かす経営」にのっとって共に作るプロセスが「強靭な会社」を作る肝になると実感しています。

これからの田中化工のビジョンと課題

その後も経営指針による経営は続いています。昨年は初めての高校新卒採用を行いましたが、1週間で退職してしまうなど、その都度課題にぶつかっています。この時は落ち込みましたが、原因を追究すると初めから社長が入れ込み過ぎで負担になっていたのではと分析しています。田中化工の10年ビジョンは33人の会社で組織経営を行う。現状の仕事を伸ばしながらものづくりメーカーになること。現状の仕事についてはやみくもに伸ばすことではなく、業界をしっかり分析をし、絞り込みを行っており、現在は、医療・福祉と趣味・娯楽の分野をターゲットとしています。医療に関しては医療機器製造登録を行い昨年の11月には展示会に出展。趣味・娯楽に関しては、現在デザイナーと組んでアクセサリー商品を自社ブランドとして立ち上げようと動きだし、10年後に向けての行動が始まっています。

経営指針確立・実践セミナー未受講の会員さんへ

私は過去の経験より「人は変われないもの」とずっと思い込んでいました。しかし、指針を考えるプロセスを学ぶことで、未来を変えるための方法を学ぶことができました。何より、このセミナーを通じて本当の仲間やめざすべき経営者に巡り合え、自分自身が変わったことが大きな自信につながり「人は変われるんだ」と自分自身の価値観が大きく覆されました。この体験がのちに社員さんとの信頼を築く芯となりました。企業づくりも同友会活動もすべての起点がここから始まっています。

取材を終えて

経営指針書を作れば経営がうまく動きだす。そんなことはなく反対に課題が浮き彫りになり苦しく感じる時期が必ずある。しかし、それをずっと続けていくことで少しずつ会社に変化が表れてくる。戦略的な経営に近道はないことを改めて知ることができた取材だった。

(インタビュー:山田、写真:田村)

vol.4

経活のススメ

経活の実践者 - 経営理念が判断基準 -

(株)One Step 代表取締役 永友 純一 氏 大阪北ブロック 豊能支部

【PROFILE】
所 在 地:大阪府吹田市江坂町
創業/設立:2005年/2009年/
年  商:9800万円
社員数:4名
業務内容:塗装工事・改修工事・施工管理全般
経営理念:One Stepは小さな一歩を積み重ね笑顔を咲かせる未来へ夢を紡ぎます

個人事業から株式会社(法人)へ

永友さんは2005年 独立し個人事業として創業。4年間はどんどん仕事が入りもうかっていきます。そのころある顧客から株式会社にしてほしいと依頼をうけました。そのころの永友さんは[会社は社員が幸せになるシステム・ツール]との考えがあり、それが株式会社になるともっとすごいツールになると感じます。そんな思いなので他の株式会社はすべてが善良で悪い会社なんて無いと信じていました。しかし、そんな甘い思いは見事に裏切られ、だまされ、いいように使われ、気がつけば2年で4000万円の負債を背負ってしまいます。当時は管理がまったくできていないので、仕事を取ってきて完工するが、もうからない、1億8千万を売り上げても2千万の赤字がでるなどボロボロの状態でした。

同友会との出会いそして経営指針との出会い

そんな状態が続き、もう会社をたたもうと思っていた2015年、同友会に出会い、当時の北摂支部に入会します。同友会の例会や他の集まりで、自社の現状の話をするとみんなが真剣に聞いてくれてアドバイスや指摘をくれる、会社を変えたくて、やりたいことの話をすると背中を押してくれる、悩みを話せる人たちに出会うことができました。そんな先輩たちから勧められ、経営指針確立・成文化セミナー(当時)を受講します。1泊して理念を作るコースで、独立してから株式会社になるまでのころを考えて忘れていた自分が考えていた会社への思いを思い出しました。「会社は社員が幸せになるツール」そして、現在の経営理念ができあがりました。セミナー明けの月曜日に宿題で出された「社員に理念の発表」を行います。社員さんの無反応、無関心な態度を予想して不安でしたが、その予想は裏切られどんどん社員さんの目が光ってきたことが忘れられないとのことです。


経営指針の実践

すべてのセミナーを終了し、新たにOne Stepがスタートしました。経営指針の実践を促すために、毎朝ランニングを行い、近所の神社で経営理念の唱和を行うことを社員に宣言し、有言実行もしました。そんなかいもあり、会議の場で「経営理念にそぐわない」などの声が出てくるようになってきます。経理面でも緻密に管理することを実践し、粗利益率も10%に上がってきます。その要因は皆が日々の仕事で細かなところまで気がつくようになってきたことだと分析しています。2年前に無借金経営になり、キャッシュフローの管理も行い、やっと数値計画通りになってきました。

経営理念は判断基準

閑散期や天候の影響があったりで、給与確保のために厳しい仕事を取ってきた時、やはり利益が上がらなくて社員からも愚痴がでます。内心では「お前らのために仕事取ってきてるんや」と思いました。しかし、社員さんから「こんなん笑顔になられへん」との意見が出た時に、やはり経営理念にそぐわないと判断し、利益にならない仕事を取ることをやめます。そうすると、業績もなぜかそんなに悪くならないという結果でした。今ではいい意味でお客さんを選べるようになり、業態の幅もひろがってきています。経営理念が判断基準ということを体現された出来事です。

経営指針確立実践セミナー未受講の同友会会員へ

自分は指針経営を実践するために、小さなことを社員に見える化することから始めました。少しずつ経営理念が浸透して、それが判断基準「笑えるか、笑えないか」となっているので何事もスムーズに事が運ぶようになりました。「入会したらまず受講した方が良いと思います」と永友さんは言います。「入会したばかりの時期は、同友会を自分の中でどのように位置付けて、活かしていくのか、わかりませんでした。しかし指針セミナーを受けると、自社経営の戦略的経営にあわせて、同友会を自社経営にどう活かすかが見えてきた」と言います。

経営指針書の一部を紹介します。

6か月先を見据える。
塗装屋の限界を超える、One Stepらしく!!!
目指せ!!! 行列ができる工事屋さん

・3か月~半年先の受注が受けていられる状態を作る。
・工事の受注を6か月先までいっぱいにして、お客様に工事を待っていただいても、One Stepで工事がしたいというお客様を増やしていける(行列ができる工事屋さん)状態を目指し、日々仕事に向き合っていく。
・塗装屋であることを最大限に生かしリフォーム工事や店舗工事でお客様に感動を与えることができる工事をしていく。(スタッフ全員多能工化の徹底)

(インタビュー:山田、写真:田村)

vol.3

経活のススメ

経活のスタートは経営指針確立実践セミナー

(株)ワイビィー 代表取締役 妙本 浩志 氏  大阪東ブロック 東成・生野支部

【PROFILE】
所 在 地:大阪市東成区中本
創  業:1950年/年  商:4億4300万円
従業員数:28名(正社員26名、パートアルバイト2名)
業務内容:精密試作板金加工業

1.経営指針確立実践セミナー受講のきっかけ

前社長から会社を受け継ぎ、代表に就任して1年が経過しようとしていたところ、目の前の営業の業務をこなすだけの日々で、このままではいけない、もっと先を見据えた会社の未来像を考えていかなければならないと感じていました。それと、前社長が作った経営理念があったのですが、単に名前を私に変えただけで掲示していたことに何か違うなと感じていました。このセミナーをきっかけに新たに私の考えたものを作りたいと思ったからです。

2.第1 講 同友会の歴史及び同友会理念

同友会の歴史や同友会理念を知りどう思いましたか?
戦後、先人たちが中小企業をよくしていこうという中、さまざまな苦労があってこの会を立ち上げた思いに触れることができました。自主的な活動のもと、ボス的な存在は作らない、それぞれが主役であることが同友会であるということを再認識しました。

同友会理念を知りどう思いましたか?
三つの目的についてはよく聞いていましたが、自主、民主、連帯の精神については経営指針確立・成文化マニュアルにあるマトリクスの表で分かりやすく説明していただき、それぞれに深い意味があることを知りました。人間尊重に基づいた理念であると理解した時に感銘を受けました。
人を生かす経営(労使見解)これを読んだ時の感想は?

どんな時代にあっても労使の団結こそが難局をのりこえる確かな保証です。どちらかというとあまり人に頼るのが好きではなく自分一人が頑張れば何とかなると思っていましたが、その考えは大きな間違いであると気付かされました。

3.第2講 経営理念

1日目の講義で一番印象に残っているのは?
「何のために経営していますか」について考えグループ討論した時、当たり障りのない答えしかできず、助言者から「その程度の思いですか」と投げかけられ、いかに自分の考えが浅く覚悟が足りていないかに気付かされました。夜の講義を終え、受講者8名全員が明け方まで寝ずに協力し合い、理念ができるまで過ごした時間は忘れることができません。

2日目みんなの前で理念を発表したときどうでしたか?
科学性、社会性、人間性の観点も考え自分の思いを込めた理念ができたつもりで発表しましたが、助言者から「その言葉に宿る意味を真剣に考えたか、その程度の思いでいるのか」など厳しい指摘で撃沈しました。正直、うちの会社の何が分かるのかと反発した思いもありました。しかし、冷静に考えると経営者としての姿勢を問われているのだと思わされました。

いい経営理念ができましたか?
今では自分の思いを語れる理念ができたと思います。その後、経営理念のリーダーをやらせてもらうことがあり、会社の究極の目的である経営理念を考え、成文化し実践していくことの大切さについて受講者の時と違って、より一層の理解を深めることができ勉強になっています。

4.第3講 10年ビジョン

現在の10年ビジョンを教えてください
会社の究極の目的である経営理念は成文化しましたが、10年は長期過ぎて経営理念と同じような感覚になりがちでした。しかし、理念のように追求するものではなく達成するものとして捉え、お風呂付きの新社屋完成をめざすなどワクワクする目標を立てました。

5.第4 講・第5 講 内部環境分析・外部環境分析

これまで経営環境の分析などは行ってきましたか?
今まで行ったことはありませんでした。セミナー受講をきっかけに幹部社員と自社の強み・弱みを考え、意見を出してもらいました。耳が痛い意見もありましたが、せっかく出してくれたものを無駄にしてはいけないと思い、自社の課題として取り組むことができました。

セミナー受講後の経営方針は、どのように立てていますか?
幹部社員が出してくれた課題をもとに、セミナーで学んだSWOT分析を行い、重要度、緊急度、そうではないものに分けて経営方針を立てました。

6.第6 講 数値計画

決算書の読み方に自信はありましたか?
固定費か変動費かどちらに属するのか分からない項目もあり自信があるわけではありませんでした。

受講後決算書の見方の変わったところは?
自分では大きく変わったとは思わないですが、毎年計画を立てる上で機械設備、車両運搬具、什器など必要な更新時期を考え減価償却費を意識するようになりました。

変動損益計算書を知っていましたか?
知りませんでした。実際に固定費、変動費、売上、利益の増減の演習を行うことで数字として表れることを実感しました。極力値引きはしないよう心掛けていましたが、日々の値引きの積み重ねが利益に直結するということを改めて意識することができました。

7.第7 講 行動計画

行動計画を立てていますか?
経営方針で掲げたことをもとに、各部門の目標を立てています。それを達成するために個人の目標に落とし込み、月次で行動計画を管理しています。半年に一度、進捗確認と個人面談を行い目標に対しての軌道修正をする取り組みを今年から行っています。

行動計画の立て方は?
今までも個人目標を立てて年初に発表していましたが、上司との擦り合わせも進捗確認もなく一方通行でした。それではせっかく立てた目標がもったいないと思い、上司と部下と十分に擦り合わせを行い、達成可能な目標設定、行動計画を立てています。

8.その他

セミナー中、いろいろな言葉が出てきたと思います。心に残っているところを教えてください
やはり経営者の姿勢の確立です。社員を最も信頼できるパートナーとして考えることは初め理解できませんでした。対立しても仕方がない、立場が違うのだから分かり合えるはずがないと思っていました。けれどもそれぞれの役割を全うし、責任を果たしていくことは社長も社員も同じである、それこそが対等な立場でのパートナーであると知った時は納得できました。

セミナー全体に対しての感想。まだ受講していない会員へ、コメントをください
受講しないと機会の損失です。いろんなセミナーがあると思いますが、半年間かけて経営のことを学べて5万円の受講料はお得です。受講者も助言者も同じ経営者であるのは同友会のセミナーだけだと思います。経営者目線でたくさんの助言がもらえます。セミナーを通して、相談できる仲間が増えたことが財産です。私も自社を良くしたいと思い受講し、まだまだですが少しは良くなっていると実感する時もあります。また、半年間のセミナー修了後に助言者の立場でも参加でき、繰り返し学ぶことができるので大きな気づきを得ます。ぜひとも受講してみてください。

(インタビュー:山田、写真:田村)

vol.2

大阪地域自慢

経営活動「経活」の第一歩

(株)イングネット  取締役 谷澤 康裕 氏 大阪中央ブロック 臨港支部

【PROFILE】
所 在 地:大阪市浪速区難波中
創業:1997年
資本金:7400万円
年商:4600万円(2018年度)
従業員数:5名(役員・パート含む)
業務内容:紙媒体およびweb・映像媒体、各種サインの企画制作/システム構築支援/レンタルサーバー/プロバイダー事業各種機器販売

1.経営指針確立実践セミナー受講のきっかけ

現在は会社組織も小さく、事業承継もしておりません。父親が社長の身内企業ということもあり、正直に言うと、受講の必要性はタイミング的に感じていませんでした。しかしそんな時だからこそ、今後社員を雇用して、さらに発展させていきたいと考えているのなら迎え入れる社員に自社がどういう思いで仕事をしていて、今後どういう方向に進んでいくのか、という姿勢を示すために経営指針は絶対に必要だと教えていただき、受講を決めました。

2.第1講 同友会の歴史及び同友会理念

同友会の歴史や同友会理念を知りどう思いましたか?
同友会理念も言葉としては知っていましたが、その言葉の意味を深く考えたこともありませんでした。特に「国民や地域とともに歩む中小企業」については、自身の視野の狭さから、地域によって思いの差が出るのでは?とも思っていました。三つの理念を同友会のあらましから学んでいくうちに、理解も納得もしていなかったことに気がつきました。

人を生かす経営(労使見解)を読んだ時の感想その時一番感銘を受けた箇所は?
やはり冒頭の「経営者の責任」です。自社がこれまで成り行きに任せた場当たり的な判断で会社を維持してきたこと、それが原因で大きく発展できずにいたことに気がつきました。また、労使のコミュニケーションについても「親族だからわかってくれるだろう」という安易な考えでいたことを反省しました。なぜ指針書が必要なのかを第1講で人を生かす経営(労使見解)から学び、理解することで、第2講の理念成分化に納得して進むことができました。

3.第2講 経営理念

1日目の講義で一番印象に残っているのは?
1日目は、自社の仕事を三つの立場から分析し、自分の大切にしている価値観や人生観をベースに理念を成文化していくのですが、意外にすんなりと書きあがりました。しかし、助言者の方々から「それはなぜ?」という質問を受けるたびに答えに詰まり、結局は仕事柄聞き心地のよい言葉を並べている「キャッチコピー」を作っているだけだということに気がついたことです。

2日目みんなの前で理念を発表した時の思いは?
性格的に自分の思いをあまり積極的に話すタイプではないので、とにかく必死でした。しかし、一晩かけて考えた思いや理念も簡単には伝わりませんでした。投げかけられる質問にもたじたじで、ましてや伝える相手が、社員や取引先、金融機関だと、このままでは伝わらない、経営者として自社を語り、思いを伝えるということはそんな甘いものではないのだと改めて痛感しました。

今なら、その時の指摘をすべて返せる(答えられる)のでは?いい経営理念ができましたか?
紆余曲折はありましたが、結果的に満足のいく経営理念が成文化できたと感じています。実は自社には、社長が創業当時に掲げていた理念があったのですが、全くピンときていませんでした。しかし2日間、自社の仕事と向き合い、自分と向き合い、絞り出てきた理念が、言葉は違えど当初の理念と通じているところがすごくありました。10年間ただがむしゃらに仕事をしていたつもりが、実は社長の描いていた理念と同じ思いで仕事をしていたのだと嬉しく思ったのが印象的でした。

4.第3講 10年ビジョン

10年ビジョンを作る必要性を感じましたか?
漠然としたビジョンのようなイメージは描いていましたが、入社して10年、日々の業務に追われ、入社当時から状況は大きく変わっていませんでした。10年後のビジョンを明確にすることで、5年後にはこうなっていなければならない、そのためには3年後、1年後、今日何をしなければならないのかが見えるようになり、10年ビジョンの必要性、何より言葉にして残すことの重要性を感じました。

5.全般

経営姿勢の確立をしたと自覚できましたか?第3講までは、経営の実質的な戦略ではなく、まず経営に対する自身の在り方を学ぶ講座だと思います。セミナー受講期間中に、社長の病気が発覚したこともあり、今の環境が当たり前にいつまでも続くわけではないことを深く意識しました。数年後には確実に訪れる事業承継、そして承継後も自社を継続/発展していくことを覚悟できたと感じています。

セミナー全体に対しての感想やまだ受講していない会員へ、コメントをください
受講前の私のように「今はまだ必要ない」と感じている方がいらっしゃるのではないかと思います。しかし、理念、指針書の作成に時期やタイミングは全く関係ないということを強く感じました。実際、私が受講した同期にも、役職や事業規模、さまざまな組織体の方がいましたし、2度目の受講の方もいました。立場は違えど、それぞれ自社に対する強い思いは同じでした。私自身も半年間の受講で、経営者としての第一歩を踏み出せたと感じることができました。また、普段の例会では話すことのできないことまで深く話し合える仲間ができたとも感じています。もし、私のように必要性を感じてはいるが、タイミングや規模で「今はまだ必要ない」と感じている方がいらっしゃればぜひ受講することをお勧めいたします。

(取材:山田・荒田、文:山田、写真:田村)

vol.1

大阪地域自慢

経営活動「経活」のススメ

(株)マルキチ 代表取締役社長 木村顕治氏 中河内ブロック 東大阪第二支部

創業:1689年/資本金:5300万円 業務内容:業務用油脂・食品・洗剤の卸商社、オリーブオイルと食品の輸入販売

今期より情報化広報部では「経活」という言葉を使っていこうと考えています。「経活」の言葉を聞いてどう感じました?

今回の取材依頼があった時にも聞いたのですが「経活」=経営指針確立実践セミナーと考えているのなら少し違うと感じました。経活の説明を聞いて、今思うのは経活とは「労使見解を深めることだ」ということです。

経活の具体的運動に直結しているのが経営委員会だと思いますが、2019年度の経営本部長として経営本部の活動方針を教えてください。

経営委員会のイメージで一番強いのが経営指針確立実践セミナー(以下指針セミナー)だと思います。経営委員会=指針セミナーと思っている会員が多くいるのも事実です。経営委員会には経営指針確立実践セミナー、求人、社員共育、障害者問題、就労困難者問題など、さまざまな活動があります。それぞれすることがあり、期が始まると各部会ではほとんどがその運営方法の議論になってしまっています。確かに指針セミナーは経活の入り口だと思います。指針セミナーは畑に苗木を植える活動です。本当の目的は、会員が植えたその苗木が成長して成果という実を実らせることです。経営本部は会員が苗木を成長させるお手伝いをすることが活動の目的です。その中心に労使見解がある。まだ具体的なことは決められていませんが、すべての活動の中で労使見解が感じ取れ、学び合えるようなことをしていきたいと考えています。

労使見解が自社経営のバイブルと話す会員が多くいます。具体的に決められていないといわれますが、イメージとして労使見解を学ぶとはどんなことでしょうか?

増強訪問などで、他の中小企業団体との違いは何か?と聞かれます。明確に言えるのは労使見解の「人を生かす経営」の存在です。たとえば、ここ数年では「働き方改革」に対して議論が多くあり、勉強会なども開かれています。その多くは生産性を高めることや数値目標をクリアするテクニックなどの手法の勉強です。同友会は労使見解を元に議論を行い、働き方改革に対しての経営者としての考え方、取り組み方を議論するところから始めます。労使見解を学ぶというのは読みあわせをするなどのお勉強会ではなく、課題に対して労使見解からの視点で真剣な議論をするなかから学び取ることです。まずは経営本部をそのような場所にして、そのような運動をすべての会員に広げていきたいと考えます。

経活=経営本部のような感じがしますが、これまでの経営委員会との違いは何でしょうか?

労使見解を広め、深く掘り下げて会員の経営発展を支援し語り部を増やすのは経営委員会です。ということは、増強は経営委員会が行うといっても過言ではない。そんな視点を持って組織委員会ともタッグを組んでいきたいと思います。組織委員会だけでなく、経営者として関わる以上中小企業憲章も政策も地域づくりの運動も、すべての活動に経営委員会は労使見解の視点から関わるべきだと思います。障害者部が取り組む地域の就労困難者の問題なども、労使見解を元にすべての本部が一緒に議論すれば多くの学びと成果を得るでしょう。

これまでの話を聞いて、経活の=労使見解からの学びと解釈しましたが、その具体的活動の一丁目一番地はやはり経営指針確立・実践セミナーだと思います。現在の指針セミナーについて意見などがあればお願いします。

今期から、全ブロックが単独で指針セミナーを開催すると聞いています。よく問題としてあがるのがリーダー不足です。自分は、完璧なリーダーを求めず、指針セミナーを卒業したメンバーが冷や汗をかきながらすればいいと考えています。もちろん一定のレベルまでは勉強しないといけないですが。自分も昔、計画コース、今のセミナーなら第6講(数値計画)のリーダーをしたことがあります。自分なりに勉強をして臨んだつもりでしたが、貸借対照表のところでぴったり数字が合うはずが合わない。冷や汗がだらだらと流れてきましたが、開き直って受講者と一緒に考えて、ああやこうやと一緒に考え間違いを見つけました。受講者には申し訳なかったですが、これは別の意味ですごく学べたと思いますよ。

このように、リーダー・助言者・受講生一体となり共に学びあっていく指針セミナーにしてほしいです。新会員が一番初めに労使見解に触れるのが指針セミナーです。今は7講に分かれていますが、随所で労使見解と照らし合わせて考えを深めるような指針セミナーを期待しています。
(取材:大西、文:山田、写真:田村)

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