大阪地域自慢 わが街探訪

vol.69

大阪地域自慢

戦前から営むプールバー
~「日之出倶楽部」~

大阪南東ブロック・天王寺支部 昭和交易(株) 山元 茂弘


時は戦前、天王寺区の日之出通南商店街に、先見の明があるオーナーが始めたプールバーが現在も営業中。昭和初期は、天王寺から今里に走る路面電車と並走する商店街としてにぎわいました。当時は映画館もある人気スポットで、今でいう新世界のような街でした。


三代目の三谷氏から創業者の話が聞けました。戦前戦後、男性は出兵でおらず、女性の働く場所がありませんでした。健全で女性が活躍できる職場としてこの店を開店したそうです。当時はビリヤード台が4台ありましたが、今は2台と卓球台が1台になっています。初代オーナーはこの店がはやり、東北、そして満州まで足を延ばしたそうですが、終戦後焼け野原になった玉造に戻り、土地を買うところから仕切りなおしたそうです。


そんなこのお店もコロナ禍で閑古鳥が鳴いています。増改築をされながらビリヤード台も買い替え、切り盛りされている異色空間です。換気も行き届いた「日之出倶楽部」に、久しぶりにビリヤードを楽しみにきませんか。



~ 広報委員からのひと言 ~

プールバー?プールサイドで飲める場所のことかな、なんて思ってしまいましたが、私の世代?が知らないわけがないじゃないか、とあとで気が付いた次第です。古い日活映画に石原裕次郎さんや小林旭さんが、かっこよくビリヤードの勝負をする場面が出てきます。あれがプールバー。ちょっとやってみたいです! (編集 西岡)

vol.68

大阪地域自慢

都心に広がる川と空
~水都大阪を感じる天神橋周辺~

大阪北ブロック・北第二支部 Act And Act(アクトアンドアクト) 岩崎 優

大阪環状線天満駅から南へ歩いて、歩いて、日本一長い商店街を抜けていったところに浪華三大橋の一つ天神橋があります。ビルにさえぎられていた空が大川によってひらけ、解放感が広がる景色。両隣には同じく浪華三大橋の難波橋と天満橋が並び、川沿いにある中之島公園、南天満公園は市民の憩いの場です。


天神橋

水上バスが行き交いゆったり時間が流れる場所かと思いきや、春は満開の桜が川に沿って続き、夏には天神祭と、多くの人でにぎわいます。川沿いには、中之島公会堂、日本銀行大阪支店、造幣局、旧桜宮公会堂などレトロな建築物が。


春の南天満公園

大阪の都心で、自然と人工物、静と動、新と旧が調和をとりながら存在しています。頭の中がごちゃごちゃしているとき、この景色を見ながら歩くと整理されてくる感じがします。


天神橋から梅田方面の景色

今年は新型コロナウイルスの影響により、さまざまなイベントが中止となってしまった天神橋かいわいですが、来年はいつもの活気が戻ってくるはずです。天神祭では多くの船渡御が浮かびます。同友会でもおなじみの「大阪締め」の連呼を聴きに来てください。

~ 広報委員からのひと言 ~

天空に花火を見ながら行き交う船客に語り掛け、大阪締めを始めます。天神祭船渡御の光景です。「打ちま~しょ」パンパン「もうひとつせ~」パンパン「祝うて三度」パパンパン。三本締めと違ってゆっくりのんびりの調子は大阪あきんどの気質でしょうか。まともに打てないとおっしゃる方が多いのは意外です。 (編集 西岡)

vol.67

大阪地域自慢

東洋のヴェニスに咲いた美しいロマネスク建築
~日本基督教団 大阪教会~

大阪中央ブロック・中央北支部 (株)トレンズ・ブレーン 沢田 史子

江戸時代に町人主体で町づくりが行われた西船場かいわい。大正後期から昭和初期にかけては、商都大阪の中核として栄えました。町には、水運利用のためにつくられた「堀川」が縦横無尽に走り、多くの船が往来。堀川沿いには、モダンな近代建築物が建てられ、川と船と建物が織りなす光景から、このエリアは「東洋のヴェニス」と称賛されたそうです。


赤煉瓦のモダンな外観

さて、この大大阪時代の1922年(大正11年)に、ウィリアム・メレル・ヴォーリズの設計によって建てられたのが「日本基督教団 大阪教会」です。場所は、オフィスビルが林立する土佐堀通から1本南の筋を入った江戸堀1丁目。「えっ、こんなところに教会?」と、道ゆく人の目を捉えて離さない存在感を放っています。外観は、煉瓦積で繊細な模様が施されていて、円形のバラ窓が重厚感の中にも優しい表情を漂わせています。親しみやすくて、見ているとなぜかほっとする。そんな雰囲気がヴォーリズ建築の特徴で、きっと彼自身も優しい人だったのだろうと勝手に想像してしまいます。


登録有形文化財に登録

職場も住居も教会の近くにあって、毎日のように見ていても見惚れてしまう、大阪ロマンの時代をほうふつとさせる、我が町の誇りであり、私の大好きな建物です。教会が最も美しく輝くという礼拝の時間に、機会があればぜひ行ってみたいと思います。


落ち着いた印象の建築美

~ 広報委員からのひと言 ~

大大阪時代(だいおおさかじだい)といわれたのは大正後期から、昭和初期にかけての時代だそうです。東京市をしのぐ世界的な大都市として、人口・面積・工業生産額でも日本一となり、西洋文化による近代的な建物が多く建てられました。江戸掘は「東洋のヴェニス」ヨーロピアンムードで散歩しましょう。 ( 編集 西岡)

vol.66

大阪地域自慢

市民一人ひとりの健康づくり、原池公園
~子どもから大人まで楽しめる場所~

大阪南ブロック・EASTさかい支部 エッチング工房shine-輝-  島尾 真理子

私の家の近所、堺市中区に原池公園という、金岡公園に次ぐ堺市で2番目の運動公園があります。その公園には、ウォーキングやランニングができるコースや、子どもたちが遊べる遊具広場はもちろん、炊事棟と炭捨て場を備えたバーベキュー広場、地域のスポーツやレクリエーション活動、ヨガや太極拳、バドミントンなどのスクールもある体育館があります。なんといっても、この公園には西日本最大級のコンクリートスケートボードパークがあり、小学生の子どもでも安心してスケートボードが楽しめ、スクールも開催されています。また、令和2年4月1日、堺市原池公園野球場が「くら寿司スタジアム堺」としてオープンしました。


スケートボードパーク

堺市初の本格的な野球場として、全国高等学校野球選手権大阪大会やプロ野球2軍戦など、レベルの高い試合を観戦できるそうです。今年は新型コロナウイルスの影響で緊急事態宣言が発令されたので行けませんでした。毎年、花見の時期には、家族や友人家族と一緒にバーベキューをするのですが、きれいな桜の下で食べるお肉は最高においしいです。食後の運動がてら大人は散歩やバドミントンをしたり、子どもたちは遊具やスケートボードで遊んだりと、大人も子どもも1日あきずに、健康で安心して楽しめる公園です。


野球場 くら寿司スタジアム堺

~ 広報委員からのひと言 ~

最近バーベキューができる場所もめっきり少なく、ましてや花見しながらバーベキューなどと、とてもぜいたくな場所ですね。それが近所にあるとは羨ましい。しかし今年は……何もかも子どもたちに諦めさせて大人も苦しい春でした。桜の季節はいつのまにか終わり、今度はスポーツの秋。新型コロナウイルスの収束を待つばかりです。(編集西岡)

vol.65

大阪地域自慢

温故知新
~商店街という古くて新しいモノ~

大阪東ブロック・しろきた支部 社会福祉法人 正真会  寺村 肇

私の職場のすぐそばにある「新京橋商店街」は、京橋駅から北に5分ほど歩いたところにある古き良き商店街です。新米のころから、商店街の皆さんのいろんな話を聞いて育ってきました。「昔は路面電車が走ってたんやで」「商店街の中ほどにある広場はその昔、罪人の首切り場やったらしいで」どれも、ほんまかいなと言いたくなるような面白おかしい人情話ばかりです。
「Amazonには勝たれへんやろ」と寂しい話があるのまた現実です。


新京橋商店街 にぎわいが戻る

まま地域の商店街は廃れてしまうのでしょうか。実は、そういうわけでもなさそうです。コロナ禍によって衰退したインバウンドや観光などを支える仕組みとして、商店街というコンテンツは非常に魅力的です。教育の視点に立てば、異世代との交流経験は人格形成に好影響を与え、地域防災や防犯の視点に立てば、顔の見えるローカルネットワークはそれを支える大動脈となります。



来る大阪万博に向けて大阪市は、商店街を活性化させるための助成をすすめています。
皆さんのビジネスチャンスが身近な商店街に埋もれているかもしれませんね。

~ 広報委員からのひと言 ~

新型コロナウイルスのあとに何が来る?と収束もままならない中で、私たちは毎日不安を抱えてニュースに耳を傾けます。先日久し振りの大阪駅で外国人観光客の姿が見えないのにふと気が付きました。
 人とふれあい買い物をするのは商店街。スーパーでは一言も話さずに買い物は終わります。大阪万博に訪れた人を商店街のふれあいでもてなすとは大阪も粋な計らいですね。(編集西岡)

vol.64

大阪地域自慢

「知」にひたれる場所
~自然の中で自分を磨く~

中河内ブロック・八尾支部(株)おふぃす・ともとも  高野 朋美

本を読むとき、行きたくなる場所。それが久宝寺緑地です。大阪四大緑地に数えられるほど緑が豊富で、広さは甲子園球場の10倍といわれています。魅力的なのは、ゾーンによって公園の表情がガラリと変わること。子どもたちが自由に遊べる広場、大人がぼんやり物思いにふけることができる芝生など、多彩な雰囲気が味わえます。


久宝寺緑地

私はもっぱら読書のために出向いているので、風の音が聞こえる静かな芝生ゾーンに居場所を見つけて、飲み物片手に本を読みます。よく手入れされた芝生、元気に枝葉を伸ばす木々。ですがこの緑地は、一昨年9月の大型台風によって、破壊的な被害を受けました。直後に行ったときは、腰から折れた大木がそこらあたりにあり、とても心が痛みました。緑地は再びよみがえるだろうかと、心配しました。しかしいま、緑地は見事に復活し、市民の憩いの場として愛されています。緑地を管理しておられる企業が非常に尽力されたと聞いています。


久宝寺緑地

形あるものは壊れますが、それを修復できるのは人。青々とした緑地の草木を見ながら、この地域に息づく自然を愛する心に、いやされています。


緑地案内図

撮影:福田 久美子 氏

~ 広報委員からのひと言 ~

考えたら最近ゆっくりと1冊を読書したことがなく、新聞は見出し読み、雑誌は興味を惹かれるページのみ早読みしている状態でした。手に取って愛読したい本もなく、時間もなく、これってとても貧しい生活だなと思いました。新型コロナウイルスの進捗ニュースに恐れをなしてばかりおらず、自粛の時間に読書するもよしです。(編集西岡)

vol.63

大阪地域自慢

地域コミュニティーの力
~コロナパンデミック最前線~

大阪南東ブロック・東住吉支部 うめだ印刷(株) 藤本 潤

東住吉区に「じょいなす☆なっぴー」という地域コミュニティーがあります。地域の企業、住民、団体、学校、病院、役所などの任意のメンバーが集まり、清掃ボランティア、地域イベントや地域ネットワークなど地域にかかわるさまざまなことを行っています。同友会会員企業もたくさん参加されています。


最近では、新型コロナウイルスのパンデミックで、緊急事態宣言により不要不急の外出自粛など対策で疲弊している方々や、最前線で頑張っておられる医療関係者の方々に、みんなで動画を作成して発信しました。


いろいろなところやメディアでこの動画を発信しています。YouTubeで発信していますので、ぜひ見てください。また、英語のテロップもつけ世界に向けて発信もしようとしています。全世界で頑張っている方々、一緒にこの難局を乗り越えていきましょう。



https://youtu.be/JWJxQmmX0BM

~ 広報委員からのひと言 ~

IT革命と言われて久しいですが、中小企業や高年齢層はなかなかついていけないと思っていました。しかし新型コロナウイルス感染拡大による外出の自粛要請や店舗の閉鎖などに及んで、ITの力が絶大であることを思い知りました。こうした地域の連帯が、コロナ克服のキーワードかもしれません。(編集西岡)

vol.62

大阪地域自慢

人情が繁盛する街
~創造の時間を過ごす~

大阪北ブロック・阪神支部(株)AURA  松永 巳知子

2006年9月15日に戦後初の定席※が開設される、と言ってもわかる方は少ないですね。私は30歳で出会ってから、短い時間の中で描き出される「庶民のハナシ」が大好きになりました。と言えばもうお分かりでしょうか?そうです!「落語」です。渋さを好む「江戸落語」と違って「上方落語」には「はめもの」といって口演中にお三味線や太鼓の演出が入る演目があり、その場が一気にお座敷の宴会場になります。落語にはたいてい「下げ」(落ち)があって、何十回も聞いている噺(はなし)では、いわゆる結末はすでに知っているのに、何度でも聞けるのはまさに演者の「力量」と考えます。


聞いた話では噺家(はなしか)さんは、当日の客層をみて演目を決めるのだそうで、それは持ちネタもかなり持っていないとできないことです。まさにお客様との真剣勝負。しかも持ち時間に合わせて話す技も持ち合わせていて、同じネタでも微調整し、最後はきっちりと下げにいきます。


「天満天神繁盛亭」は、朝10時から21時まで「朝席」「昼席」「夜席」と日替わり、週替わりで若手からベテランまで登場します。贔屓(ひいき)の噺家さんを見つけたらもっと楽しくなります。噺家さんごとに個性のある「出囃子(でばやし)」も上方落語ならでは。大人でないと味わえない「創造の時間」をゆっくりと楽しんでください。※定席:常設の寄席(よせ)

~ 広報委員からのひと言 ~

お誘いを受けて一度だけ「天満天神繁盛亭」へ落語を聞きに行きました。あそこは聞くだけでなく、見るほうも見ごたえがありますね。そのときの寄席の合間にはさんだ芸が、和傘の上の手まり回し、こま回し、皿回し。果てはうら若き女性が逆さに足を張り上げ畳を回す芸もありました。伝統の上方落語の火をともし、繁盛してほしいですね。(編集 西岡)

vol.61

大阪地域自慢

江戸文化の集積地
~廓に花咲いた「ここが最初」の数々~

大阪中央ブロック・中央南支部 エス・ケー・データ(株) 北川 眞里

江戸時代に発行された摂津国の地誌「摂津名所図会」に「田圃を闢きて新に町とせしゆゑ、世の人新町とよんだ」と記されている西区新町。
今はない西横堀川西側の湿地3万坪を埋め立て、四方を低い塀で囲み、出入口をこの川に架かる新町橋だけとする、大坂唯一の江戸幕府公許の花街が開かれました。 この新町廓に京都島原の置屋「扇屋」が夕霧太夫を連れて移ってきたとき、大坂の男女は大騒ぎ。鈴なりになって見物したそうな。


新町は数々の文化の発祥の地です。有数の置屋だった「扇屋」からは、のちに上方歌舞伎を代表する名優、初代中村鴈次郎が生まれます。明治後半には、角藤定憲らにより新演劇集団がこの地で旗揚げ。「旧派」歌舞伎に対して「新派」を唱え、改良演劇として自由民権運動の政治批判の壮士芝居を演じました。時代はさかのぼり、秀吉が大坂城を築城した折、大坂各地に資材置き場が設けられましたが、新町には砂類の蓄積場がありました。工事関係者が多く集まり、そこで麺類を提供する店が開業されました。日本三大そばの一つ「砂場蕎麦」がそれ。日本最古のおそば屋さんです。マンションが林立する現在の町並みには当時の面影はまったくありませんが、碑に残されるこうした歴史をたどると新町は、その時代の有名人が足を運んだ、粋な文化の匂い立つ町であることがわかります。


~ 広報委員からのひと言 ~

なにわ八百八橋といわれた大坂は江戸時代に開かれた掘割の水運が発達し、東西南北どこへでも船便が行き交っておりました。その上にかけられた橋が八百八橋。一時は1,500を超えたといわれています。時代は下り、高速道路の建設や道路を広げる工事がすすみ多くの橋が消えて、旧跡が残るのみ。たった一つの出入口が恨めしい花街に思いをはせます。(編集 西岡)

vol.60

大阪地域自慢

神仏習合の面影残すお盆の祭り
~町内で競い合う大太鼓が練り歩く~

大阪南ブロック・さかい浜支部(株)千代田 芝田 拓也

大和川以南の南ブロック地域で自慢できるものと言えば、夏から秋にかけて各地域で行われる祭りでしょう。岸和田のだんじり祭りや百舌鳥八幡宮のふとん太鼓はたくさんの観光客が来るほど有名ですね。しかし私が生まれ育った堺市北区金岡町にも、素朴ながら地域に根付いた太鼓台が主役のお祭りがあります。


盆踊りなのでお祭りというのも妙ですが、神社で行われるなど昔の神仏習合の風習が残っています。木の枠に大太鼓を載せて、音頭を取りながらお神輿のように練り歩きます。一つの小学校区内に11台の太鼓台があり、町内会同士で競うようにして神社をめざします。ふとん太鼓のように豪華ではありませんが、それだけに昔の農村の素朴な姿を残していると思います。近年は人気が高まり、立派な祭りに進化しています。当日は、村のあちこちから音頭と太鼓の音が聞こえ、気持ちが浮き立ちます。主役はもちろん青年団。元来、力自慢の農家の若い衆の集う行事だったのでしょうが、現代のひ弱そうに見える若者の心にも響くものがあるのでしょうね。準備や後片付けに熱心に参加する若者が増え、地域の人たちと関わる良い機会になっています。今年は愛息も参加する予定で、今から楽しみにしています。


~ 広報委員からのひと言 ~

日本の祭りは寺にあり、神社にあり、全国津々浦々に、一体いかほどの祭りがあるのでしょうか。一時は後継者がいなくて廃れそうになった、といった事情が、有名な大きな祭りにもあった時代がありました。しかし近年はそんなところも復活し、以前に増して活発になっています。祭りは人々の心のよりどころ、平和の象徴なのです。(編集西岡)