コラム・あの人に聞く


〜 強靱な企業づくりをすすめる会員の取り組み 〜
月刊誌特集 I では、会内外で活躍する会員を毎回紹介します。会員の経営する企業の取り組みや、経営者である会員自身の企業経営に対しての考え方などを知ってもらうことで、同友会が目指す企業像、経営者像、そして中小企業と社会との関わりへの理解を深めてもらえることを期待しています。第9回は、大阪同友会 副代表理事の石本一彦氏です。
創業以来変化し続ける会社
○昭和30年大阪北区で石本氏の伯父が360°回り自在に動くキャスターの脚(商品名:スーパーキャスター・特許取得)を開発し三協製作所を創立。昭和35年の法人化後には、スーパーキャスターの取引会社が松下系列に入り、その系列より工業用扇風機部品の取引を開始
○昭和50年代に入り、工場を新築し、組立工場も増設し組立事業を開始
○石本氏の父親が社長になった後も、投光器(商品名:ライトピッチャー)を開発、生産販売を開始
○平成7年に第2工場を開設、物流センターを創設、レーザー加工機を導入し板金加工事業部を開始
○平成13年には本社工場、物流センターを統合し、現住所の東大阪加納に移転
○設備投資にて板金加工業を補強。短納期生産を開始
○ISO14001(平成13年)及びISO9001(平成16年)を取得
○平成17年に石本氏が代表取締役に就任

新たな仕事との出会い
  多彩に変化してきた三協製作所ですが、石本さんが代表取締役になったころは非常に厳しい状況でした。
 今まで得意としてきた量産型業態の仕事は海外に出てしまい、どんどん仕事が減る中で仕事を探す日々が続いていました。そんなプレス部門の仕事が減る中、フォークリフトの部品製作に取り組む溶接事業と出会います。
 先方から「5年は続く仕事」と言われたのですが、溶接仕事の経験が無く、社内からも反対の意見が予想されるので、紹介されたその場で一度は断ります。しかし、その打ち合わせからの帰り道に5年続く仕事を断っていいのか?と自問自答し、一度会社に帰った後すぐに引き返しその仕事を引き受けました。
 溶接事業の開始当初は外注に頼っていたのですが、注文が増えてきた時にその外注先から「対応できない」と言われ、職人さんを紹介されました。その人を雇い入れることで、溶接事業を軌道にのせることができました。
 現在は溶接を7人体制で行うまでに成長し、三協製作所の柱となっています。

連携で新たな変化
外向的な性格の石本氏は、他社と連携をして仕事をつなげていくことを得意にしています。
 手探りの中で、平成21年に東京にオフィスを新設します。元は事務職として入社した女性社員を抜擢して派遣し、3S活動を基本にした企業連携サポート事業を起こします。その後、その事業は独立した法人となり、それが現在のMDファクトリーHS(株)代表取締役 川端政子氏(東京都中小企業家会同友会会員)です。
 MDファクトリーHSの設立でも、墨田区のモノつくり中小企業として有名な(株)浜野製作所 浜野慶一社長と連携をして取締役に迎えて、現在もどんどん業績を伸ばしています。
 その他にも、岩手を拠点としたコンサルタント事業の(株)IMDワークスを立ち上げ、日本全国で企業連携をすすめています。

変化し続けている三協製作所。自社商品も開発
 本業であるモノづくりの事業でも絶えず変化している石本氏。一時期、業績不振となり外部委託していたプレス事業を社内に戻し、平成27年に関連会社としてMDプレス工業(株)を設立します。
 10年程前から展示会に積極的に出展しており、昔、家電製品の部品加工で培ったエキスパンドメタルラスという金網のような素材を扱う技術をアピールし、毎年新たな顧客を開拓しています。
 破れ、ホツレが起こらないエキスパンドメタルラスの特性に目をつけ、異物混入が許されない食品業界に向けてザル(Eメタルボウル)を開発。製作上の課題も研究、試作を重ね解決のめどが立ち、来期より本格販売を開始します。

10年ビジョン
 現在年商3億円を10年後の平成38年に売上10億円(三協製作所本体のみ)にする10年ビジョンを立ち上げました。
年商10億円に成長していく戦略を考えていくと、現在の延長線上では無理なことを認識します。
 この10年は設備投資、雇用、人材育成に力をいれ、単品・量産、またプレス、板金、溶接、組立と一つのことに特化しない総合型モノづくり企業を目指しています。
 またMD ファクトリー、IMD ワークスの連携力を活かしてモノつくり屋の強みを発掘して新たな可能性を作っていきたいと考えています。

〜 取材を終えて 〜
 石本さんは、同友会の会合などで近況の話をすると「苦しい、厳しい」と笑いながら話します。そんな石本さんなので「つかみどころの無い人」などの異名を持っています。しかし、今回の取材を終えて、なぜ笑いながら近況を話せているのかがわかりました。創業以来変化し続けてきているDNAが石本さんにもあり、変化に対してためらいが無く、常に前を見続けているので、怖さより夢や希望が前に出ています。そしてそのベースにはしっかりとした経営指針書があるからだと気づかせてもらえた取材でした。
(情報化・広報部 文:山田 写真:木許)
Profile
企業名: 株式会社三協製作所
所在地:東大阪市加納
設  立:昭和30年3月
資 本 金:1,000万円
年  商:3億円 
社 員 数:25名
業務内容:鉄鋼並びに鉄製品の製造販売加工及び
     精密金型製作、製品組立加工全般
     それに付帯する一切の事業
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